【0163】民間出身国税審判官の或る日の日記(その42)


1.平成27年7月8日(事務年度末日の前日)

支所長は高松署の体制協議のため出張。
神戸支所の事件引継については、来事務年度は定員が減って、合議体構成が京都支所のように変則になるので、事件配付簿の形式をどうするかといった相談を総括審判官と副審判官がしていた。
総括審判官が京都支所の総括審判官に連絡したところ、進行中の事件フォルダは支所全体フォルダに入れているとのことで、神戸支所も同様の管理をすることになった。
総務係からのメールで、支所から本所に異動になる人は当面現在のIDカードの返却は不要であり、ICカードができてから引き換えということになるようだ。
B審査官が支所の顔合わせ会の場所を調整しようとしているが、新しい総括審判官の声が大きいということで個室が良いのではないか?ということになり、ホットペッパーなどを見ながら早速場所探しをしている。
自分の後任の弁護士出身審判官は1979年生まれというのにみんなビックリしていて、副審判官は、その弁護士出身審判官より1回り上になる(が部下となる)B審査官に対して「『あなたは何回言っても全然わかっていませんね。』とか言われるんちゃう?」と弄っていた。
その弁護士出身審判官から電話があり、支所打ち合わせの日時を聞かれる。
自席の書類整理を行うが、段ボール詰めは明日にする。
辞令当日は、辞令自体はクールビズだが、ICカードの写真登録の必要から上着とネクタイ着用で出勤するそうである・・・何か矛盾しているような。
新事務年度の各種委員案を副審判官とA審査官で決めていた。
副審判官は、自分の後任の副審判官となるC審査官のところに行って引き継ぎをしたあと、自席でパソコンを見ながらフォルダの説明をしている。
会計士出身審判官の退官後の就職先について、一緒に仕事したことのある総括審判官に報告した。
民間出身審判官は、弁護士出身審判官は特にだが、国税審判官のような任期付公務員を渡り歩くパターンが結構あるように思った。
課税1部の特官になる副審判官が、部の担当課長に電話して「私の席はどうなるのでしょうか?」と照会している。
A審査官が午後から不在であるが、おそらく移動先の職場の引継関係だろうか。
B審査官の前任であるある税務署の審理専門官から副審判官に異動関係の電話があり、副審判官は「事件を起こして(納税者に不利益処分をして)こちらに挨拶に来いよ。」と言っていた。

2.事務年度末の事件処理

昨日のA事件に係る審理部の審査官の指摘を総括審判官に報告したら、「やはりそうでしたか。」ということで不当についての求釈明後に発送する(もちろん異動後)ことになり、引継書に反映した。
ただ、その後も、総括審判官が「今日明日で求釈明をすることもできなくはないんですけどね~。」とか言いだすのでヒヤヒヤする・・・今から新たなことを言わないでほしい。
昼前に管理係から新件が出たとの連絡があった。
A事件については、総括審判官の求釈明の提案(不当の意味を説明してから主張させるのではなく、審査請求書の内容からすれば違法という整理で良いのか?という聞き方)があり、まずは電話で照会することになった。
ただ、代理人税理士は不在で、午後3時過ぎに一旦電話がかかってきたが、研修中とのことであり終了予定の4時半頃に再度電話するとのことだった。
電話がかかってくるかな?と思い何回か外線電話を取るが内輪の異動関係の電話ばかりである。
16時40分くらいにA事件の代理人から電話がかかってきたが、「参考人面談はその必要性を含めて実施するか保留」と言った後に、「審査請求書には『不当』と書いているが、違法主張で良いのか?」と質問したら、「いや、そんなに詳しくないけどそれで良い。」という投げやりかつある意味期待していた返事が帰ってきたので、それで求釈明を送る旨を伝える。
まあこれでなんとか鈴木さんに引き継げるかなといった感じ。
B審査官がバタバタだろうが、明日無事に起案してもらって発送できることを願う。

3.異動先とのやり取り

大阪本所2部の主任審判官に電話して当面の予定を聞いたが、懇親会は23日の審判部打ち合わせの夜らしい・・・それがわかっただけでも良かったが。
本所の弁護士出身審判官から、「大阪本所では、月に1回昼休みに民間出身審判官と法規審査担当審判官が裁決検討事績表を肴に意見交換する会をしているが、大阪本所に異動されたら参加しますか?」というメールが来た。
毎回誰かがネタを探すということで当番制のようである。
お昼に主任審判官から「引継はいつ?」と聞かれたが、自分が大阪本所2部からいつ引継してもらえるのかはまだわからない。
大阪本所2部も減員だから担当者替えの決定に時間がかかっているのかも。
本所2部の総括審判官からは特に緊急のものはなく、14日に既存メンバーから説明するという話だった。
大阪本所2部の事件関係について、一緒に異動になる京都支所の弁護士出身審判官が何か聞いているかを確かめるために京都支所に電話したら凄いテンションで喋ってきた。
京都支所ではあのテンションでいつもいるのか?

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