【0287】民間出身国税審判官の或る日の日記(その44・シーズン2)

1.平成27年7月10日(人事異動日)

初めての人事異動であり、国税審判官2年目に入りましたが、その初日の風景です。

子供を幼稚園に送ってから京阪に乗って10時前に天満橋に着く。
早く着いたので15階の食堂で時間調整するが、喫茶室にいたら「食券はこちらです。」とおばちゃんに声をかけられ、居づらくなったので出る。
審議室にみんな入れるのかなと思っていたら、前事務年度の京都支所・神戸支所の異動対象者だけである。
所長室前で指定された順番で並んでいると、ある事案の請求人から「ちゃんと収受しているのか?控えの交付はまだか?」みたいな電話がかかっていたようで、管理係の審査官が結構長い時間対応していた。
辞令は、今回は立ち位置を間違えなかった。
辞令は「大阪国税不服審判所国税審判官に配置換する」のみだった。
審議室に帰った後、みんなクリアファイルを持っていたので「もらい損ねた?」と思ったら、辞令を入れて挨拶周りをするために自分で持ってきているらしい。
自分もその可能性を考えて持ってはきていたが、汚れているのを見た副審判官が、「きれいなのをあげますわ。」といってクリアファイルをくれた。
そのあとの異動あいさつは個別に周るのかと思っていたら、前事務年度の神戸支所全員で各部を回るという方式だった。
京都支所の副審判官が定年まであと7年を残して辞職したが、ある審判官から「退職金は3,000万円はないよな?今はみんなそんなにもらえないよな?」みたいな話をしていたが、ということは2,000万円はもらえているということで、「やはり公務員の方が生涯年収が良いな~。世の中間違ってないかな。」と思ってしまう。

2.第二部第2部門に配属

あいさつ周りを済ませて、改めて第二部に着任した。
部門主任審判官は着任3か月で穏やかな感じである。
向かいの副審判官はまだ着任していない。
左に位置するA審査官は、聞いたらちゃんと教えてくれそうだが、距離感はまだある感じである。
斜向かいの裁判所書記官出身のB審査官も着任3か月で、A審査官からいろいろ聞きながら手探りでやっている感じだ。
着任して、さっそく引継書類のチェックをするが、支所よりも多いような気がする。
パソコンは既に自分のアカウントで使うことができ、共有フォルダの割当をするが、自分が担当審判官をするのは、A審査官が持っていたメモをチラチラ見ている限りは、今のところA事件1件かもしれない。
ロッカーや給湯などを確認しているうちにお昼になる。
お昼は主任審判官、弁護士出身審判官、B審査官と15階に行く。
昼休みに第一部の新任の弁護士出身審判官に挨拶しようと思って行ったら、今日は辞令交付だけで宿舎への引っ越しなどでさっそく年次休暇を取得しているらしい。
昼休みに裁判官出身審判官がやってきて、「2部門は男ばっかりだから下ネタOKですよね。」と言っていた・・・やっぱり女性だった前任者とは違う(当たり前だが)。
弁護士出身審判官が「身上申告書がないけど」と聞いてくるが、諸々の書類を入れた封筒を自分ももらっていないので、管理課に取りに行ったらくれた。
国税局関係の異動についても、13時半から総務部長の離任あいさつがあった。
その後も、大阪審判所本所の着任関係のあいさつが続いた。
14時ころに第二部長が着任(といっても管理課長だったので管理課から動いただけ)し、部門全体であいさつを行う。

3.引き継いだ事件の概略把握

審理部の法人税担当の審査官が、「弁護士出身審判官と自分が担当する事件についてまた打ち合わせしましょう」と「国税庁が管轄しない税法絡みの事件があり、それについてはそちらの部門と連携する必要がある」と言いに来た。
総括審判官が主任審判官に、「14日に二部長に事案概要説明を予定しているから。」と言いに来たが、主任審判官が14日に休みを取りたいらしく、総括審判官が「え~!」みたいなことを言っているが、総括審判官と主任審判官の上下関係は結構ありそうだ。
A事件の事件概要図を見ているが、・・・ことについて、・・・の規定を適用した事例であるようだ。
A審査官も引き継いだばかりのようであるが、「こんなに無理しなくても取り消しでよいのでは?」みたいなことを主任審判官に話し、主任審判官は「これは個人的に知っている・・・さんがやった事案じやない?」と言っていた。
事件ファイルの引き継ぎを受けたが、担当審判官としての関与はA事件、参加審判官としての関与はB事件のようだ。
着任届、通勤届、赴任旅費の記入をする。
二部長から、自身の携帯アドレスにテストメールをするよう回覧があり、メールするが返信がない。
大阪国税局関係の異動速報を見たかったが、今回からペーパーレス化でドキュワークスでの公開になっている。
大阪審判所本所でもヤクルトおばさんによる販売があるが、神戸支所に来ていたおばあちゃんよりも少しだけ若い感じである。
15時半ころに副審判官が着任となるが、指定官職になったばっかりだからか偉そうではない。

4.異動日から飲み会

16時ころから2部門の打ち合わせをしたが、部門としては係属は3件であるが、支所よりは金額的規模が大きい。
さっそく7月下旬の休暇予定をオズオズという。
終了後、主任審判官が「今日は時間ある?」と言われ飲み会のOKをしてしまうが、弁護士出身審判官は申し訳なさそうに断っていた。
初日からの飲み会は頭になかったな・・・主任審判官は飲み会好きなのかもしれないので気をつけよう。
1部門の庶務担当のC審査官から「出勤簿に押印するためのハンコを預かりたい。」との依頼があり渡す・・・やっぱり自分で押すんじゃないんだ。
飲み会は、審査官の当番だったBさんを待って5人で行ったが、総括審判官が自分たちが飲みに行くのをさも分かっているように「飲みに行く場合には行政文書の持ち出しはしないように!」と触れまわっていた。
近くの行きつけの居酒屋のタイムサービスということで、20時くらいまで飲んでいた。
B審査官は末席ということでみんなに気を遣っているようだった・・・通勤時間も長いのに。
主任審判官もB審査官も4月異動でありもう3か月経過しているが、和光市の税務大学校における審判実務研修には当然に行くらしい。
特にB審査官は奥さんの出産が近いということで実家に帰らせるらしく、独身に近い身分で行けるのがうれしいみたいなことを言っていた。
A審査官に「なぜ、隠語で国税職員のことを『当該職員』って言うのか?」と聞いたら「国税通則法にそういう記述があるからですよ。」とあっさり言われた。
5人で10,000円強だったが、今回は主任審判官のおごりということで丁重にお礼をして別れる。

 

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