【0300】民間出身国税審判官の或る日の日記(その57)

1.平成27年〇月〇日

弁護士出身審判官出勤後、いきなりA事件の議決書案について「『審査請求に至る経緯』の項を復活するん?」と聞いてきたが、今のところはA審査官の加工に身を委ねるしかない。
その途中で、事業年度の定義について、「平成23年〇月期」だけを定義して、その後についてはいちいち定義しない(順次「平成23年〇月期」などという。)という書き方について、弁護士出身審判官が「事業年度ごとにいちいち定義しないといけないんじゃないか。」とかみついたら、A審査官がキレて「2人が同時に直していたら意味ないのでやめますわ!」と言ったのでひとまず弁護士出身審判官が引き下がった。
2人の関係について「いつか起こるかな~」と思っていたが、実際に起こってしまった。
弁護士出身審判官もギャーギャー言うが、だからといって、少しでもプライドを傷つけられるとキレるのも大人の職場の対応ではない。
これ以上こじれるようであれば「『風通しの良い職場』を目指されるということですから言いますが。」と直接部長に談判しようかな?
管理係の審査官が、総括審判官と庶務担当審査官に何かを説明しているが、何かシステム入力か何かのことのようだ。
B事件につき、B審査官が法人登記簿謄本を法務局に取りに行くと主任審判官が知って、「ついて行って良い?」と言って2人で行ったが、単に謄本を取りに行くだけであり、特に何か難しい手続や交渉があるわけではない。
その後、主任審判官が不在であることを知った総括審判官が、「年休を出させないとな!」と言っていた。
お昼は自席でパンをさっさと食べて、自席に居るのが気まずかったので、外に出てOMMビルで時間を潰していた。

2.人事評価の自己評価

帰ってきて、休暇届を出しに部長室に行くと、人事評価における「自己評価」の表現について確認したかったと言われた。
目標以外の実績の欄で、講演実績に関することは書いてもらって良いが、「審判所の方針は・・・であるところ、」といった書き方は被評価者として書くべきではないので、表現を直して良いか?ということを言われたので同意した。
部長室から帰って来ると、A審査官が直していたはずのA事件の議決書案ファイルがなくなっていたが、へそを曲げて共有フォルダから外してしまったのだろうか?
その後、A審査官は、審査官に課せられた過去の事件の証拠関係の整理作業を進めており、A事件については止まっているようだった。
庶務担当副審判官が、「行けますな。」と言いに来たので何かと聞いたら、「中原君(国税庁長官)が大阪に来るねん。」と笑って言っていたが、長官訓示の出席ということだろう。
ただ、自分以外の2部門の指定官職はB事件の面談でおそらく難しいのだろう。
B事件の合議体・分担者は、請求人面談のシナリオ(主張をどの条文に落とし込むか)についてあれこれ言っている。
16時過ぎに、主任審判官が予備室にお茶を取りに行った機会を狙って同室に入り、今朝のA審査官と弁護士出身審判官のいざこざの背景を伝え、弁護士出身審判官が17時に退所してから3人で話す機会を持ってほしいとお願いしたが、「土日で頭を冷やして週明けにした方が。」ということで週明けになった。
総括審判官が、主任審判官のところに来て、半分冗談で「今日の外出については年休を取ったか?」と言ってきた。

3.新件発生見込み

今日の部長・総括・主任の3役の打ち合わせで、部長から「新件がこれから出てくると思うので、現在係属の案件は遅滞なく処理することを心がけるように。」との話があったようだ。
総括審判官が「長官訓示の開始までにB事件の請求人面談を終わらせることができないのか」と主任審判官に聞いていた。
その続きで、「新件は法人のスキーム物で2部門に係属するかどうか」みたいな話をしていたが、たとえそれでなくても、新件が配付されるのは必至の情勢のようだ。今日は、A審査官と弁護士出身審判官の件が、呆れ半分、今後の人間関係についての不安半分といったところで定時早々に帰るが、「風通しが良い」ことを目指す第2部なのであるから、3役を巻き込んで「こんなしょうもない人間関係でストレスを抱えている」と自分自身がキレてみようかと思うようになった。

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