【0301】民間出身国税審判官の或る日の日記(その58)

1.平成27年〇月〇日

出勤して昨日(子どもが発熱で看護休暇を取得)はすいませんでしたと部門のメンバーに言って、休暇簿を記載して主任審判官の承認を取って部長室に入る。
昨日の夕方に、部長が2部門のシマに来て、「A事件については、・・・」との助言をしてもらったらしく、弁護士出身審判官からその旨のメールをくれていた。
出勤後に、A審査官が、「プレゼントが」と言いながら、A事件の口頭意見陳述の申立書のコピーを出してきた。
A審査官の見立てでは、「どこかの時点では申し立ててくると思っていました。多分、これまでの主張のサマリーをおさらいすることが中心ではないか」ということだった。
せっかく意見なしの意見書が原処分庁から来たのに・・・処理が後ろ倒しになるかな~。
A審査官は、「これで総括審判官が処理を急かす現在のスケジュール感に縛られなくて済んでむしろ良かったのではないですか?」と言っている。
今日は避難訓練で末席審査官であるB審査官が駆り出されているが、どのタイミングで行ったら良いのかわからないらしく右往左往している。
結局は15分くらいで帰ってきたが、1階まで階段で下りたものの、審判所のある13階まではエレベータで上がってきて、「本当に地震なら止まってるんちゃうの?」とみんなに言われていた。
合同庁舎の館内放送は、関西弁丸出しで「・・・せよ!」という口調が気になったが、昔の空襲警報ってこんな感じだったのかななどと思う。

2.国税庁長官訓示

今日の部長・総括・主任の3役の打ち合わせで、現在夏季休暇で某国に行っている次席審判官が、現在係属の事件について、(4月の審判所長異動時の引継事案説明会のような)説明を受ける場を設けてほしいというオーダーがあったとの報告があった・・・結局やるんかいな~という感じだが。
第2部に係属になる新件3件は、1部門1件、2部門2件ということであり、自分にはB事件が配付されるそうで、これについては・・・という最高裁判例もあり、審査請求書を見る段階から結論の方向性は見えているかも知れないが、争点はそれだけではないのだろう。
以前に、裁判官出身審判官が言っていた、審判所長・法規審査担当審判官・民間出身国税審判官の懇親会について、総務係長から日程調整のメールが来ていたが、候補日すべてOKという返信をした。
指定官職対象の国税庁長官訓示は予定時刻の14時45分の10分くらい前に庶務担当副審判官と15階の大会議室に上がった。
最前列は国税局長、総務部長、審判所長で、その後に部長クラスで、我々指定官職はその後に大勢居て訓示を聴いた。
訓示は7分くらいだったが、管内の職員の不祥事について「改善を確信しながら注視している」というコメントが印象的だった。
終了後も、「長官」「局長」「総務部長」「審判所長」「部長クラス」の順に退席し、その他大勢の解散でぞろぞろ帰った。
13階の自室に下りていたら1部門の東京出張組が帰ってきていた。
C事件の面談は、こちらの想定にない主張を請求人がしたのか、13時過ぎに始まって17時になってもまだ続いていた。

3.自分に一本芯がない

審理部審査官が居たので、A事件の状況変化についてA審査官とともに説明する。
A審査官から、A事件の議決書案につき、「・・・というのが良いのでは?・・・昨日の部長のコメントは、・・・という趣旨だったのではないか。」と言われた。
確かに、今の状態は、ややもすると結論ありきともみえ、・・・で表現するのが良いのかもしれないと思うようになったが、いかに担当審判官である自分に一本芯がないかということを思い知る。
弁護士出身審判官から、国税不服申立制度の改正関連の審判所ホームページの記載内容についてのコメント依頼があり確認していたが、誤植が思いのほか多く、「耐用年数」と表現すべきところを「減価償却期間」と表現していたりして、「誰が作ったの?」と思う誤りが多かったので、自分が指摘したことが分かるように違う色のペンで修正しておいた。
結局C事件の面談は17時半の勤務終了時刻の頃にやっと終わったようであるが、裁判官出身審判官を加えた飲み会は17時45分開始って言ってなかったっけ?
自分は、子供に付き添うために今回は辞退させてもらうことにした。

税務判断なら当事務所へ
お気軽にお問い合わせください

2025年2月
« 1月    
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
232425262728