1.平成27年〇月〇日
弁護士出身審判官が明日から休みということで、「A事件の口頭意見陳述と事件検討会の日程は自分の空いている時に入れてもらって結構です」といわれる。
これを機に2部門みんな休暇を出すことになり、自分は〇日のマイナンバー研修までの時間の4時間を取る申請を出した。
副審判官が「去年の審判部の旅行は?」とA審査官に聞いているところ、過去2年度は「部長が大阪管外出身者だったので行ったようだが、今回は大阪局職員なのでどうなるか?」という感じのようだ。
A事件の説示について、弁護士出身審判官が、・・・と言うのに対し、A審査官は、・・・と言って対立している。
どっちも折れないのだが、自分としては、A審査官の意見の方が・・・という理由で説示できると思う。
「自分の意見を言おうか、言うのが怖い」と思っていたところ、A審査官が、前事務年度に担当したB事件についての裁決書と事件検討会資料を人数分打ち出しして、・・・を説明したいということで、第3合議室で打ち合わせした。
B事件は・・・としたようであり、今回のA事件も同様ではないかとの説明があった。
結果的には、A審査官のB事件の時のアプローチで行こうかという流れになったが、担当審判官である自分が「これで進みましょうか。」ということができなかったのは、A審査官に依拠せざるを得ないことへの後ろめたさからだろうか。
ただ、B事件の事件検討会資料の内容を見ると、議決書案に加えてこんなに用意しないといけないの?(議決書案だけではだめなの?)という気がして、今回のA事件の検討会資料のラインナップをどうするかについてA審査官に確認したいものの、「じゃあそれをどっちが作るの?」という話になった時に困る(自分で作ってもA審査官に全面的に直される)ことから言えないでいる。
2.類似事件の裁決書
昼休み明けにあらためてB事件の裁決書を読むと、確かに、・・・ということは理解できる。
A事件の代理人から電話があり、〇月〇日の〇時~〇時しかない(午前中しか時間が取れない)ということで、その時間に入れることになったが、・・・の不確定要素があるのが心配ではある。
A審査官に、口頭意見陳述実施のお知らせを作成してもらおう。
まあ代理人が午前中しかダメといっており、本人達だけが残って何か言うということはないだろう。
その日の午後にC事件の当初合議も入り、主任審判官と弁護士出身審判官はダブルヘッダーになる。
そして次の日は、A事件の事件検討会そして飲み会か・・・。
後では、1部門の弁護士出身審判官(女性)が、会計係長に「私は法律の専門家として、これは『じょう』としか読めない。」と何か怒りを抑えたような口調で言っているように聞こえたが、何かあったのか?
それとも同性にはきつく当たりがちなのかどうかわからないが(同性に限らないか)。
主任審判官、弁護士出身審判官、副審判官が、C事件の打ち合わせで第3合議室に行った。
午後3時の体操時にカレンダーを見ていたら、来年からの山の日が祝日になっていなかった。
それをA審査官にいうと、休暇予定表に非表示のシートがあり、祝日を含む休暇日には色が係るようにしているシステムを作ったと教えてくれたが、概算要求時に休日日数なども影響するらしく、手で数えるのが大変なのでシステムを作ったそうである。
総括審判官が、部長室に掲出する庁職員名簿を今事務年度版に更新するのに、近くに1部門の弁護士出身審判官、副審判官が居るにもかかわらず、わざわざ遠い2部門のA審査官に手伝ってくれと言ってきたが、それはやはり職位を気にしているのだろう。
A審査官が張り替えた後の古い名簿を見てマーカーを引きながら「この人知っている。ここに帰りたいな~と思ったりする。」などと言っている。
3.審査官に気を遣う
おそらく、A事件の審理事務経過表か口頭意見陳述のお知らせか何かを作成しているときに、A審査官が、「約1か月後と言いながら、実際には日はあまりないんですよね。」と言ってきたが、「お前も何かやれよ。」というプレッシャーかなと感じてしまう。
弁護士出身審判官が、「D事件で同席主張説明をやろうと考えていたが、日程的(年内実施)に難しいかな~と思うようになってきた。」と言ったが、「代理人が審判官OBで勝手が分かっているし、本件ですれば良いのでは?」とみんなに言われていた。
自分としては、新たに自分が担当するE事件を対象とされるのは困るし、ぜひともD事件でやってほしい。
何か仕事をしている風を装いたいので、E事件の事件検討表を作成し始める。
請求人の主張であえて見るべきところを探すと、・・・という内容があったが、本当だろうか?と思う。
A審査官からA事件の口頭意見陳述のお知らせの起案が回ってこないが、弁護士出身審判官は明日から27日まで休暇であるため早く回してほしい・・・「まあ後閲でも良いのだが」と思いつつ、「もう『10時から正午まで』と書いてしまうんですよね。」という聞き方で聞いたら、「そうします。もう案は作ってあって2週間前に決裁を回すつもりです。」と言われた。
A審査官が、A事件の作業を継続しており、なんとなくすぐ帰るのが躊躇われ、17時50分くらいまで居るが、思い切って帰ることにする。
帰ろうとすると、部長会だったらしく神戸支所長が登場。
総括審判官のところに挨拶に行っているうちに気配を消して帰る。