【0308】民間出身国税審判官の或る日の日記(その65)

1.平成27年〇月〇日

第2部の指定官職による週例の打ち合わせである「月曜会」に臨むのが気が重いのだが、それは、A事件について「自分が主導になって議決書案を作成していないことへの後ろめたさ」と「今の段階で良いから見せてくれ。」と言われることへの懸念からである。
主任審判官、弁護士出身審判官、副審判官とも昨日の庶務担当副審判官からの意見聴取依頼の回答を考えている。
今日が2週間前なので、A事件の口頭意見陳述のお知らせの決裁をする。
月曜会は9時15分開始で終わりが10時30分を過ぎていた。
部長訓示は、「事案処理は10月・11月が勝負であること」「本部の制度改正対応が山場を迎えているが、請求人に直接相対する合議体が積極的に情報発信して実施要領などに反映するのが大事ではないか」という話であった。
連絡は「超過勤務縮減週間に入る」「個別カウンセリング(自分は必須外)を希望する場合は申し出ること」「合同庁舎の外部者入館証が属性による色分けで新しくなる。」「被扶養者の要件確認対応」「PC更新対応」であるが、口頭で「インフルエンザ・ノロウィルスが流行しているので各自対応を」ということであった。

2.ワークライフバランスを意識した業績目標

事件進行についての時間が長くなったが、A事件は最小限で済んだ。
B事件については、部長からも「請求人対応で主導権を先方に取られないように」との指導があった。
最後に総括審判官から、「異議申立て件数が増えている。特に法人が増えている。法人は異議で棄却の場合に審査請求に至る確率が高く、件数の割に内容が重いことが多いので、現在係属の事案は速やかに処理するように。」「人事評価の下期の目標には、『制度改正』と『ワークライフバランス(WLB)』を含めるように。」という話があったが、WLBをどうやって業績目標に織り込むの?という話になった。
これは庁全体の方針であるようだが、書けても「WLBに配慮し、業務を効率的に処理して家庭生活の時間を確保する。」くらいだろう。
終了後に、主任審判官から、「B事件について、先行事件の主張の遣り取りが長くなったのはなぜなのか?・・・が目的ではないのか?」「A事件については、事前に審理部に議決書案を回付した方が良いのでは?その時間も考えておくように。」と言われた。

3.自分の業績目標の記載

大阪本所の今週の日程表を見ていると。今日に「(自分が審判官に内定になった際に内部のことを聞きに行った)A弁護士が次席審判官にあいさつ」があったが、気がついた時には既に終わっていた・・・Aさんに挨拶できると思っていたのに残念。
お昼は久しぶりに(配偶者の出産・育児参加休暇明けの)B審査官と15階の食堂に行き、専ら赤ちゃんの話になる。
審理部のC審査官がやってきて、途中からA審査官に入ってもらったが、メインは「今年中に裁決まで可能か?」という相談だった。
要するに事件検討会の成り行き次第(問題なければ●月前半に議決可能で審理部係属期間も1か月あるが、要検討事項を言われれば無理になる)ということを言った。
業績目標の入力ができるようになったと言われ入力する。
今回は次ページに渡らないように圧縮して書く。
「担当審判官主導で主張整理する。」「制度改正後は同じ期間で実施すべき手続が増えるので、現在担当の事件もスケジュール管理を意識する。」「裁決事例の研究による業務知識の涵養」の3点とした。
アウトプットして主任審判官の了解を得て確定した。

4.外部から窺い得る特段の行動

B事件の異議担当をした神戸支所のD審査官からメールがあり、「・・・は泣きそうだった。」と書いてあったが、Dさん結構フランクな感じがする。
財務省共済組合の被扶養者の扶養確認書頂を作成して総務第一係の主任に提出する。
1部門のC事件と2部門のA事件の事件検討会連絡票について、A審査官が主任審判官に内容を見せて確認を取っているが、主任審判官が「一部事件概要について修正した方が良いのではないか?」と言っていた。
1部門で第1部の審査官と雑談しているが、1部門の弁護士出身審判官の祖母が宝塚歌劇団出身で、祖父が舞台上の祖母を見染めて結婚したということを聞いていたようだ。
庶務担当副審判官による意見聴取の内容調整が断続的に続いているが、「終結合議」「争点の確認表」「最終合議」の前後関係で、主任審判官と弁護士出身審判官がいろいろ言っている。
やっと原処分庁からE事件の答弁書が来たが、重加算税の法令解釈である「外部からも窺い得る特段の行動」が、どうやら質問応答記録書の本人達の申述しかないようである。
B事件の帳簿の提出状況を一部付加する。
E事件の担当審判官指定通知決裁をしようとするが、主任審判官がF事件の件で副審判官と話しており、すぐには主任審判官に回せなかったが、定時ギリギリに部長の決裁を得る。
明日は、A審査官が休みでA事件が動かなくなるのでE事件の資料を読むことにする。
F事件で「なぜ・・・を否定するようなことをいうのか?自分たちが主張してきた条文なのに」ということを主任審判官、副審判官、B審査官が言っている。

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