【0009】異動予告日

1. 組織全体が浮足立つ1日

本日(6月26日)は、国税関係公務員の令和元年7月10日付け定期人事異動の予告日です。

昨年までは、異動日の1週間前である7月3日に行われていました(転居を伴う異動についてはもう少し前に言い渡されるようです)が、ワークライフバランスに配慮したのか否かは定かでないものの、本年より1週間早く言い渡されることになりました。

私が任官されていた頃は、まず、午前中に一般官職の該当者が1人ずつ個室に呼びこまれ、午後からは指定官職の該当者が対面・電話の手段によって予告を受けていましたが、今年からはメールで本人に直接通知されるようになったと聞きます。

一般官職は、税務署でいうと、職員録の総務課長以下に記載されている職員であり、指定官職は、総務課長より上に記載されている署長・副署長・一部の特官を指します。

この日は、納税者そっちのけで組織全体が浮足立つ1日です。

たとえ異動1年目で自分には異動がないはずだと思っていても、いきなり個室に呼び込まれることもありますし、結果として自分に異動がなくても、周囲の異動の悲喜交々を目の当たりすることになります。

2.私の異動経験

私は、任官1年目は大阪国税不服審判所神戸支所に在籍していましたが、できれば大阪本所に異動したいと思っていました。

しかし、先輩の民間出身の国税審判官から、「異動希望は言い続けていないと叶わない」と言われ、「3年目に大阪本所に異動できれば良いか」という気持ちで1年目から異動希望を出していました。

そして、迎えた7月3日、神戸支所長が私を含む該当者に突然「異動予告があります」と言いました。

過去には、該当者が大阪本所に出向いて審判所長に次ぐNo.2である次席審判官から対面で異動予告を受けていたようですが、今回からは電話で行われることになりました。

そして、支所長室直通の電話が鳴り、私を含む該当者が電話の前に並んで、1人ずつ予告内容を賜りました。

「あなたは、大阪国税不服審判所の本所に配置換えになります。」

希望のとおりの異動だったのですが、実際に言い渡されるまでは緊張し、目の前にいた国税副審判官から、「1年目からドキドキできて良かったですね。せっかくウチ(国税)の世界に来ているんですから、ウチ独特の経験もしてもらわないと。」と言われたことを思い出します。

その直後から、周辺の国税プロパー職員は、次年度の事案と組織運営について断続的に打ち合わせをしていますし、電話がひっきりなしに掛かってきて(大阪本所の同じ部屋にいるはずの課長補佐と総務係長が、同時に神戸支所の総括審判官に電話をしてきたくらいです)、周りの慌ただしさに、もう仕事が手につきませんでした。

3.人事は権力の源泉なのか

異動予告日の翌日、7月3日17:00現在の国税局・審判所・税務大学校・監察官室・監督評価官室の部課長の異動状況をまとめた「局内ポスト」、そして大阪国税局83署の「署長名簿」「副署長名簿」「総務課長名簿」が配付されましたが、まだ未定稿の段階で一部空白部分があるほどの速報的なものでした。

それを見ると、国税局等の部課長級ポストはほぼ全員が1年で異動し、署長ポストも(83名中)70名以上が異動になるのですが、これを見ながら私は不思議に思っていました。

「〇〇部長・〇〇課長を経験したといっても、自分が格付けされた級に相当するポストにたまたま就いただけで、その1年で、そのポスト固有の何を経験したというのだろう?」

民間、しかも資格業の経験しかない者にとっては、これだけエネルギーを投下して、大掛かりな人事異動を行うことの意味を、にわかに理解できないのですが、何だか「人事権によって求心力を維持する」という組織内部の事情が優先されているように思っていました。

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