【0005】国税審判官採用試験(任地)

1.民間出身の国税審判官の配属状況

民間出身の国税審判官は、毎年約15名ずつ、原則として3年任期で採用されます。

現在は例外として2年任期の採用もあるようですが、概ね「15名×3年+任期延長5名=全国50名体制」という構成になります。

国税不服審判所は東京霞が関の財務省本庁舎の4階に本部があり、その下に国税局(国税事務所)管轄と同一の12の支部(各地域審判所)と7つの支所が設置されていますが、その50名は関東信越国税不服審判所の新潟支所・長野支所を除く全国17の都市に配属されることになります。

最も大きい支部は東京国税不服審判所本所で16名程度、次に大阪国税不服審判所本所の6名程度となり、国税不服審判所沖縄事務所にも1名配属されています。

2.応募と採用のミスマッチ

国税審判官採用試験の応募書類の履歴書には、勤務できる任地を表明する欄があるのですが、あまり希望の任地を限定すると、採用側とのミスマッチが起こることがあります。

例えば、税理士が「大阪国税不服審判所(大阪本所・京都支所・神戸支所)しか勤務できません。」と希望したとしても、大阪国税不服審判所の税理士枠の空きがあるか否かは、前年度以前の採用者の任用状況と異動状況に左右され、採用年度の大阪国税不服審判所に税理士の枠があるとは限らないからです。

例えば、私が大阪国税不服審判所に配属されていた頃の同所の民間出身の国税審判官の定員は8名でしたが、平成27事務年度は「弁護士6名+公認会計士2名(私を含む)」という構成でした。

しかし、平成28事務年度には「弁護士4名+公認会計士2名(私を含む)+税理士1名+欠員1名」、平成29事務年度には「弁護士3名+公認会計士2名+税理士3名」となり、一転して公認会計士・税理士の枠が増加しました。

3.希望任地は限定しすぎない方がよい

このように、50名が17の都市に配属され、しかも、応募者は弁護士・公認会計士・税理士の資格に分かれていることから、希望任地を限定しすぎると、「もう少し希望任地の幅が広ければ採用できるのに」といったミスマッチを惹き起こすことになります。

私は、税理士試験と公認会計士第二次試験の両方に合格しており、採用試験に従事されたある幹部から、「あなたは公認会計士・税理士のいずれの枠でも採用できたのですよ。」と採用後に言われたことがありますが、私にとっては、この両方の試験合格が国税審判官の採用にポジティブに働いたことになったと思っています。

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