1.事務連絡の数珠つなぎ
2月23日は税理士記念日・・・でもありますが、プレミアムフライデーの3周年の日でもあります。
プレミアムフライデーはとても国民に浸透しているとは言えず、「また御上の考えることは」というマスコミの論調も多い気がしますが、そのとおり、平成29年の今頃、内閣府→財務省→国税庁→審判所本部→各審判所の順に「プレミアムフライデーの対応について」という「事務連絡」が下りて来ました。
そして、上記の最後の「→」の部分ですが、平成29年2月14日付で、審判所本部管理室長から各審判所管理課長宛に、要旨次の内容の事務連絡が下りて来ました。
「・・・平成29年2月24日から、官民連携の上、全国的に実施されることが決定されました。・・・当日は、年次(有休)休暇の取得等により、できれば遅くとも午後3時までに仕事を終えるよう努めるものとされております。・・・当所においては、・・・職員へ周知し、下記のとおり、職員が早期退庁することができるよう適切に対応願います。」
2.喜ぶのは公務員だけ?
プレミアムフライデーが民間目線でないのは、「午後3時」という時間設定です。
国家公務員はかねてより年次休暇を1時間単位で取得できますので、2時間ないし3時間の消化によって対応することができますが、民間の有給休暇は通常は半日単位です。
また、できなかった仕事を翌営業日に回せる(すなわち、客を待たせる)立場にある人は良いでしょうが、普通はそうは行きません。
私が国税不服審判所にいた3年間の間にも、新たに「山の日」という祝日が制定されましたが、休日が1日増えても、その1日分の仕事量が減ることもなければ、先送りすることもできない以上、「何か、喜ぶのは公務員だけだな(自分も今は公務員だけど)」と思っていました。
ちなみに、その事務連絡には、「国税庁に関しては、初回は翌月」と書いてありました。
それもそのはず、本来の初回は確定申告繁忙期の真っ最中だからです。
3.平成29年3月のプレミアムフライデー
そして、国税庁としての初回である平成29年3月も「31日」であり、年度末のあわただしさによって2時間の年次休暇を取得する人はほぼおらず、同日に退職される方の壮行会も開催され尚更早引きできない状況でしたので、その後は「今日はプレミアムフライデーですから」という職員周知もしなくなってしまいました。
身内でさえしない取組みを国民全体に浸透させるのは土台無理なことなのでしょう。
そんな環境下、初回(平成29年3月31日)は、私と同じ公認会計士出身の審判官が、2時間の年次休暇を取得して午後3時に退庁し、翌週の月曜日に「久しぶりに監査法人の同期と飲みに行こうと誘ったけど『会計士にとって一番忙しい日だろ!』と言われた」と言っていましたが、上場企業の8割を占める会社や金融機関の決算期末であることを忘れていたようです。