【0276】審査請求に係る各種書類の送付先

1.総代が選任されている場合

相続税事件は1人の被相続人の相続財産について複数の納税義務者があり、その相続財産の評価や課税財産の範囲によって複数の納税義務者の税額が連動して変動する性格があります。
そういった事案の場合で、複数の納税義務者が審査請求をする場合には、総代を互選することで、その総代が代表して国税不服審判所の対応をすることが通例です。
総代が選任されている場合には、その総代(総代も複数が選任されているケースがあります)のうちいずれか1人を送付先とします。

2.総代が選任されていない場合

上記1.のように複数の納税義務者があっても個々に審査請求をするケースがあるところ、こういった場合には別個の事案として全ての請求人を送付先とします。

3.請求人が死亡した場合

当該請求人の相続人は、国税通則法第106条第1項の規定により請求人の地位を承継するため、当該相続人の全てを送付先とします。
ただし、「審査請求人の地位承継及び総代選任の届出書」により、審査請求人の地位を承継した複数の相続人のうち総代が選任されている場合は、当該総代を送付先とします。
なお、相続人全員から代表者の届出があった場合は、円滑な事件処理のために「審査請求人の地位承継及び総代選任の届出書」による総代の選任を促します。
また、請求人の死亡後に、例えば、認知請求訴訟が提起されるなどの特殊事情により、請求人の地位の承継の手続が未了となっている場合においては、当該認知請求訴訟等の確定により相続人が確定するまでの間は、その時において判明している全ての相続人を送付先とします。

4.請求人が被収容者である場合

査察事件など請求人が刑事施設に収容されている場合には、請求人の住所又は居所に送付します。
ただし、当該住所又は居所が不明の場合又は請求人のために書類を受け取るべき者がいない場合には、請求人が収容されている当該刑事施設を送付先とします。

5.審査請求中に破産等があった場合

破産手続開始の決定があった場合
破産法に基づき請求人に対して破産手続開始の決定があった場合には、請求人の地位を引き継いだ破産管財人を送付先とします。
更生手続開始の決定があった場合
会社更生法に基づき請求人に対して更生手続開始の決定があった場合には、請求人の地位を引き継いだ管財人を送付先とします。
再生手続開始の決定があった場合
民事再生法に基づき請求人に対して再生手続開始の決定があった場合には、請求人を送付先とします。
ただし、請求人が法人である場合において民事再生法の規定により管財人による管理を命ずる処分がされたときは、請求人の地位を引き継いだ当該管財人を送付先とします。
なお、複数の破産管財人又は管財人があるときは、そのー人を送付先とすれば足りるので、主任(窓口)となる者を選任するよう要請することになります。

6.請求人から書類の送達先を代理人とする申出書の提出があった場合

前記にかかわらず、代理人を送付先とします。
なお、次の点に留意する必要があります。
代理人が複数選任されている場合には、送付の便宜を図るため、主任(窓口)となる代理人を選任するよう要請します。
❷「代理人の選任(解任)届出書」において、送付先を代理人としている場合は、改めて「書類の送達先を代理人とする申出書」の提出を必要としません。
なお、参加人も代理人を選任することができることからから、❶及び❷と同様の取扱いをします。

7.請求人が成年被後見人である場合

成年後見人を送付先とします。
なお、成年後見人から「書類の送達先を代理人とする申出書」の提出があった場合には、当該代理人を送付先とします。

8.請求人が未成年者である場合

原則として法定代理人を送付先とします。
なお、代理人から「書類の送達先を代理人とする申出書」の提出があった場合には、当該代理人を送付先とします。

9.請求人の納税地の異動による原処分庁の異動の場合

納税地の異動があった場合には、当該異動後の納税地を所轄又は管轄する税務署長又は国税局(沖縄国税事務所長を含みます)を送付先とします。
なお、審査請求の対象となっている処分が徴収処分(源泉徴収に係る所得税の納税告知処分並びに不納付加算税及び不納付加算税に代えて徴収する重加算税の賦課決定処分を除きます)及び滞納処分の場合には、上記にかかわらず当該各処分をした税務署長又は国税局長を送付先とします。

10.税務署の統合又は分割があった場合

最近はめったにありませんが、税務署の統合又は分割があった場合には、当該統合又は分割後にその納税地を所轄する税務署長を送付先とします。

11.所管変更があった場合

調査査察部等の所掌事務又は国税局課税部等統括国税調査官等の所掌事務について、所管の変更があった場合には、当該変更後のそれぞれの国税局長又は税務署長を送付先とします。

12.徴収の引継ぎがされた場合

徴収処分及び滞納処分がされた場合において、その後、徴収の引継ぎがされたときであっても、当該各処分については、当該各処分をした税務署長又は税関長を送付先とします。

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