1.審査請求期間の原則
再調査の請求をしないで審査請求をしている場合には、処分に係る通知を受けた日又は処分のあったことを知った日の翌日から起算して3月以内にされているかどうか、また、再調査決定を経た後の審査請求の場合には、再調査決定書の謄本の送達があった日の翌日から起算して1月以内にされているかどうか、さらに、これらの各期間を経過している場合には、国税通則法第77条第1項から第3項までに規定する正当な理由があるかどうかなどについて検討することになります。
この場合において、審査請求期間の取扱いは、国税通則法不服申立関係基本通達77-1から77- 6までの定めによるほか、それぞれ次に定めるところによります。
2.期間の計算及び期限の特例
審査請求期間の計算及び期限の特例については、国税通則法第10条及び国税通則法施行令第2条第2項の規定があります。
なお、審査請求期間の末日が土曜日、日曜日、祝日等の休日又は12月29日から1月3日までのいずれかの日に当たる場合には、その翌日が期限となり、その休日等が連続するときは、最後の休日等の翌日が期限となります。
例えば、処分の通知を受けた日と審査請求期間の末日との関係を例示すると、下記のとおりとなります。
❶通常の場合(処分の通知を受けた日→審査請求期間の末日)
・4月20日(水)→7月20日(水)
・6月26日(日)→9月26日(月)
❷3月12日が日曜日の場合
・12月12日(月)→3月13日(月)
❸月末の場合
・8月31日(木)→11月30日(木)
・4月30日(月)→2月28日(火)
❹閏年でない場合
・11月30日(水)→2月28日(火)
・2月28日(火)→5月31日(水)
❺閏年の場合
・11月30日(水)→2月29日(水)
・2月28日(火)→5月28日(月)
❻12月29日から翌年1月3日の場合
・9月29日→1月4日(月)
❼10月6日が土曜日、10月7日が日曜日、10月8日がスポーツの日の場合
・7月6日(金)→10月9日(火)
3.滞納処分に関する不服申立期限の特例
国税徴収法第171条第1項は、滞納処分について次に掲げる処分に関し欠陥があることを理由としてする審査請求については、それぞれ次に掲げる期限を審査請求の期限と定めています。
ただし、国税通則法上の審査請求の期限が同項に定める期限よりも先に到来するときは、その先に到来する期限が審査請求の期限となります。
❶督促
差押えに係る通知を受けた日(その通知がないときは、その差押えがあったことを知った日)から3月を経過した日
❷不動産等についての差押え
その公売期日等
❸不動産等についての公売公告から売却決定までの処分
換価財産の買受代金の納付の期限(時刻)
❹換価代金等の配当
換価代金等の交付期日(時刻)
なお、これらの審査請求がされた場合には、国税通則法第105条第1項ただし書の規定による換価の制限の効果が発生すること等を踏まえ、直ちに原処分庁所属の担当者に電話等で連絡する必要があります。