1.再調査の請求をした場合
国税通則法第91条第1項の規定に基づき補正要求又は職権による補正等をすることになりますが、この場合の審査請求書の審査すべき記載事項等、当該記載事項等についての不備等の内容及び不備等に対する補正の方法は、次の運用となっています。
❶再調査の請求年月日
(不備等の内容➡対応)
・記載がないもの又は記載に誤りがある場合において、再調査決定を経ていないもの➡補正要求
・記載がないもの又は記載に誤りがある場合において、再調査決定を経ているもの➡補正不要
❷再調査決定書の謄本の送達を受けた年月日
・記載がない場合において.審査請求が審査請求期間内にされたものであることが明らかでないもの➡補正要求
・記載がない場合において、審査請求が審査請求期間内にされたことが明らかなもの➡職権による補正
・再調査決定の日を記載するなど、記載に誤りがあり、審査請求期間内に行われたものであることが明らかなもの➡職権による補正
・再調査決定の日を記載するなど、記載に誤りがあり、審査請求期間内に行われたものであることが明らかでないもの➡補正要求
2.審査請求の趣旨
・記載がない場合において、審査請求の理由等の記載内容からも取消しを求める範囲が不明なもの➡補正要求
・記載がない場合において、審査請求の理由等の記載内容から取消しを求める範囲が明らかなもの➡補正不要
・審査請求の趣旨が審査請求に係る処分として記載されている処分(対象年分等)と―致しないもの➡補正要求
・処分の取消し又は変更を求める以外のものの場合において、請求人又は代理人に確認した結果、補正により適法となるもの➡補正要求
・処分の取消し又は変更を求める以外のものの場合において、請求人又は代理人に確認した結果、補正により適法とはならないもの➡補正不要
3.審査請求の理由
・記載がないもの➡補正要求
・「後日提出する」等としか記載されていないもの➡補正要求
・審査請求の理由が審査請求に係る処分として記載されている処分(対象年分等)と一致しないもの➡補正要求
4.正当な理由の有無
・明らかに審査請求期間を経過しているにもかかわらず正当な理由の記載がない場合において、請求人又は代理人に確認した結果、正当な理由を主張するもの➡補正要求
・明らかに審査請求期間を経過しているにもかかわらず正当な理由の記載がない場合において、請求人又は代理人に確認した結果、正当な理由を主張しないもの➡補正不要
・国税不服審判所ホームページ様式を用いている場合において、具体的な理由のいずれかに○がついているにもかかわらず、正当な理由の記載がないもの➡補正要求
5.添付書類
・代理人の記載がある場合において、委任状の提出がないもの➡補正要求
・総代の記載がある場合において、総代選任届出書の提出がないもの➡補正要求
・審査請求の趣旨及び理由を計数的に説明する資料の添付がないもの➡補正不要
・原処分の通知書写しの添付がないもの➡補正不要
・番号確認書類の添付がないもの➡補正不要
・身元確認書類の添付がないもの➡補正不要
委任状は法定の様式ではないため、任意の様式に審査請求に係る事務を委任する旨の記載があれば補正の必要はありません。
また、税理士(税理士法人、税理士業務を行う弁護士及び弁護士法人を含む)を代理人に選任する場合において、代理人の権限を証する書面として「税務代理権限証書」以外の書面が提出された場合にも、補正の必要はないものの、審査請求書の提出時や面談等の機会を捉え、税理士法第30条及び税理士法施行規則第15条の規定により、前記税理士に「税務代理権限証書」を提出するよう指導することになります。
6.審査請求書提出部数
・正・副2通提出されていない場合(国税電子申告・納税システムによる審査請求を除く)➡補正要求