1.平成27年4月〇日
自分が担当する事件の原処分庁に対する調査が月曜日になり、9時からの支所幹部会に参加すると、10時開始の予定に間に合わないことになり時間をずらしてもらえるかについて総括審判官に聞くと、GW時期は休暇取得者が多いので、前週の週末に幹部会をすることになるということで一安心。
給料明細を貰い「11,000円を支給する」という紙切れがあり、臨時給与かと一瞬思ったが、今月からの新しい俸給表による、現給保障が書いてあっただけである。
給与明細には、今月からの介護保険料率の改定の影響が反映されており、自分の試算と一致していた。
(補足)
平成27年4月に俸給表(給与テーブル表)が改定されました。
具体的には俸給(基本給)が切り下げられ、総額が増えないように地域手当に差をつけるといったものです。
しかし、激変緩和措置として、3年間については改訂前の現給が保障される措置がなされており、その3年間の昇給によって改訂前の俸給を超えればそちらが適用されることになっていました。
ちなみに、民間出身国税審判官は「特定任期付職員俸給表」が適用され、それは職責若しくは人事院勧告によるベースアップ(ベースダウン)が変わらない限り俸給が変わりませんし、もともと任期が3年ですので、最後までこの現給保障の期間内にありました。
上記は、要するに、「11,000円支給する」とあっても、新しい俸給が11,000円切り下がっていることの穴埋めであり、総額に変化はないということです。
2.面談の場で追加主張されると対応に困る
審査請求人本人から電話がかかってきて、想定して作った電話聴取書の内容のことは言えたが、「主張を追加される場合はその時に」と口走ってしまい、副審判官から「当日あ~でもないこ~でもないと言われると纏まりきれなくなり危険なことを言いましたね」と脅される。
総括審判官が「面談のお知らせを発送するときに『新たな主張がある場合は箇条書きでも書いてもらうように』と書いておきましょう」と収拾してくれた。
ということで、「面談のお知らせ」に質問予定事項その他の内容を付けないといけなくなったが、結局は求釈明・質問事項を早くまとめなければならないことになる。
悩んでいると、総括審判官が、「本人は・・・を総合勘案すべきとまでは言っていないのに、請求人が証拠として添付した裁決事例の要旨に拘って初めから・・・を総合勘案すべきを前提として求釈明すると、原処分庁と請求人の双方とも主張していないことを審判所が聞いて、双方から答えがない状態になる。」と言われた。
(補足)
面談の場で審判官の意図(想定)しない主張が追加されると、その内容を書面で取りまとめて原処分庁に送付して反論を求めることになるとともに、その主張が課税要件に沿ったものか(苦情の域を出ないものか)といった検討も行わなければならないため、担当審判官としては「議論が拡散するようなことはしてほしくない」というのが本音でした。
3.新審判所長視察
1時間前になってトイレの大便器が詰まったらしく、兵庫税務署の総務課職員を巻き込んで吸引器でズボズボやっていた。
自分は入館証を首から提げて準備OK。
新所長の裁決の初決裁が本日午前に出ていた。
徴収事件のボリュームの軽いものであるが、思いのほか早かった気がする。
前任の所長はWORDの見え消し機能で修文していたが、新所長は過去からの「行間隔を開けた裁決書案に手書きで直すスタイル」であり、縮小印刷すると字が読めなくなりこれからどうするか。
所長は予定よりもだいぶ早く15時43分に到着し、「そろそろ入館証を掛けようか~」とみんなが言っていた矢先なのでバタバタとお出迎え。
腰の低い小柄な感じの方であるが、とても昭和38年1月生まれという感じではない老けた印象である。
兵庫署長表敬訪問のあと、部門ごとにご挨拶したが、軽く「任期付、公認会計士出身の大橋です。宜しくお願いします。」とだけ言った。
ご自宅は・・・で乗換の良い時間は新開地駅発19時39分らしく、17時半開始では2時間よりも早くお開きになる可能性がある。
その後は支所の概要説明と執務室視察(といってもすぐ終わるほどの広さしかないが)を終えて17時過ぎに支所を出る。
なぜか書庫にお連れして、しかも「いつまで入っているんだ?」というくらい出てこなかった。
湊川公園近くの店で懇親会をしたが、自分は管理課長の隣、副審判官の向かいという配席だった。
個室で広くて良かったが、全体的に料理を早く出してくれという指示が店内で徹底されなかったのか、デザートが出るのがギリギリで副審判官がやきもきしていた。
それでも無事に指定の電車にお見送りできた。
所長は最初だからか相当丁重(下手?)という感じでみんなと話そうと無理やり話題を振っていた印象がある。
裁判官は常時100件以上を所管しているということで、所長が「審判所はこれだけ丁寧に人的資源をかけてやるなんてすごい」というようなことを言っていたが、それだけ手間をかけ過ぎということでもあるのだろう。
管理課長にちらっと聞いたが、民間出身の国税審判官は弁護士・税理士・公認会計士のシェアがある程度決まっているようで、三大都市圏は希望者が多く、今事務年度が3年目の審判官も延長を希望していたが叶わなかったということである。
(補足)
審査請求事件の審理そっちのけでトップの接遇に気を遣っている様子がおわかりいただければ十分です・・・。