【0091】代理人として取消裁決を得て思うこと 1.一部取消裁決 この度、弊社が不服申立て段階から代理人として関与していたある法人様の法人税・地方法人税・過少申告加算税の取消しに係る裁決があり、主文としては「一部取消し」の結果でした。 主位的請求は全部取消し、予備的請…続きを読む
【0088】審判官の心証は早い段階から決まっている 1.審査請求は相撲に例えられる 私は、税理士会などの団体に講演にお伺いして国税不服審査制度を解説するときに、審査請求を相撲に例えることが多いです。 「争点」という土俵を設定し、東西双方から原処分庁と審査請求人が上がり、審…続きを読む
【0085】閲覧請求の範囲はどこまで拡大されたか 1.閲覧等の範囲は拡大された 平成28年の行政不服審査法・国税通則法の改正前においても、審査請求人は、原処分庁が収集した税務調査関連資料を閲覧した上で主張立証の参考にすることができましたが、「❶原処分庁が国税不服審判所に…続きを読む
【0083】請求の利益がなければ審査請求できない 1.請求の利益 行政事件訴訟法第9条第1項括弧書きは、原告適格を有する者に「処分又は裁決の効果が期間の経過その他の理由によりなくなつた後においてもなお処分又は裁決の取消しによつて回復すべき法律上の利益を有する者を含む。」…続きを読む
【0082】どのような処分が審査請求の対象になるのか 1.国税に関する法律に基づく処分とは 国税通則法第75条第1項の規定により、不服申立てをすることができる場合は、税務署長等が行った国税に関する法律に基づく処分に不服がある場合であり、それがない限り、不服申立てに及ぶことが…続きを読む
【0077】「却下」「取下げ」でも納税者の勝ち? 1.審査請求の処理状況 令和元年度(会計年度)における国税不服審判所長に対する審査請求の処理状況は以下のとおりです。 ❶全部認容 90件 ❷一部認容 285件 ❸棄却 1,989件 ❹却下 134件 ❺取下げ 348件 …続きを読む
【0072】不服申立てにおける税理士代理人の特徴 1.不服申立ての代理人 訴訟代理人は弁護士でなければならず、税理士は出廷陳述権のある補佐人の地位に止まりますが、国税に係る不服申立ての代理人になることは「税務代理」の範疇ですので当然ながら可能です。 ただし、税理士しか不…続きを読む
【0066】国税不服申立て制度の歴史(協議団の取消割合) 1.審査請求事件の発生・処理状況 協議団が発足した昭和25年度は発生件数が非常に多く、約22万件に及んでいました。 これは、昭和22年から昭和24年頃までは、闇取引の横行、インフレーションの高進等混乱する経済社会とインフ…続きを読む
【0065】国税不服申立て制度の歴史(協議団の組織) 1.協議団の所掌事務 国税庁協議団及び国税局協議団令第1条第1号により、所得税法、法人税法、相続税法、資産再評価法又は富裕税法に規定されている審査請求に対する決定のための協議を行うこととなっていましたが、同条第2号で、「…続きを読む
【0064】国税不服申立て制度の歴史(協議団の発足) 1.協議団の発足 シャウプ勧告に基づき、政府は、昭和25年1月17日に「異議処理機関として専門の協議団を設置する等の方法を設け、その適切迅速な処理を図ること」を閣議決定しました。 この協議団の構想は、第7回国会において審…続きを読む