【0091】代理人として取消裁決を得て思うこと 1.一部取消裁決 この度、弊社が不服申立て段階から代理人として関与していたある法人様の法人税・地方法人税・過少申告加算税の取消しに係る裁決があり、主文としては「一部取消し」の結果でした。 主位的請求は全部取消し、予備的請…続きを読む
【0090】民間出身国税審判官の或る日の日記(その1) 1.或る1日の日記 私は、平成26年7月10日から平成29年7月9日まで大阪国税不服審判所に勤務していました。 1年目は神戸支所第1部門、2年目は大阪本所の第二部第2部門、3年目は大阪本所の第一部第1部門に配属されました…続きを読む
【0089】国税不服審判所が求める国税審判官の経験値 1.国税審判官の資格を規定する条文 国税通則法施行令第31条には国税審判官の資格が規定されています。 第三十一条 国税審判官の任命資格を有する者は、次の各号のいずれかに該当する者とする。 一 弁護士、税理士、公認会計士、…続きを読む
【0088】審判官の心証は早い段階から決まっている 1.審査請求は相撲に例えられる 私は、税理士会などの団体に講演にお伺いして国税不服審査制度を解説するときに、審査請求を相撲に例えることが多いです。 「争点」という土俵を設定し、東西双方から原処分庁と審査請求人が上がり、審…続きを読む
【0087】国家公務員の有給休暇の仕組み 1.任官した瞬間から年間20日換算で付与 労働基準法に「年次有給休暇(いわゆる「有休」)」が規定され、民間企業はこれに服していますが、公務員の世界では「年次休暇」が人事院規則に規定されています。 民間が「有休」と略するの…続きを読む
【0086】国税職員の懲戒処分の量定 1.なぜ税務職員の不祥事は注目されるのか ただでさえ公務員は国民の税金によって給与が支給されている立場ですので、不祥事を惹き起こした場合の国民の視線は厳しいものがありますが、自分の財産の一部を合法的とはいえ侵害する税務職…続きを読む
【0085】閲覧請求の範囲はどこまで拡大されたか 1.閲覧等の範囲は拡大された 平成28年の行政不服審査法・国税通則法の改正前においても、審査請求人は、原処分庁が収集した税務調査関連資料を閲覧した上で主張立証の参考にすることができましたが、「❶原処分庁が国税不服審判所に…続きを読む
【0084】裁決書はどこまでマスキングするのか 1.裁決結果の公表基準 裁決結果の公表については、昭和43年7月の税制調査会「税制簡素化についての第三次答申」を受け、昭和45年の国税不服審判所創設以来、この答申に沿って、国税不服審判所の使命の観点から、先例となるような…続きを読む
【0083】請求の利益がなければ審査請求できない 1.請求の利益 行政事件訴訟法第9条第1項括弧書きは、原告適格を有する者に「処分又は裁決の効果が期間の経過その他の理由によりなくなつた後においてもなお処分又は裁決の取消しによつて回復すべき法律上の利益を有する者を含む。」…続きを読む
【0082】どのような処分が審査請求の対象になるのか 1.国税に関する法律に基づく処分とは 国税通則法第75条第1項の規定により、不服申立てをすることができる場合は、税務署長等が行った国税に関する法律に基づく処分に不服がある場合であり、それがない限り、不服申立てに及ぶことが…続きを読む