【0084】裁決書はどこまでマスキングするのか 1.裁決結果の公表基準 裁決結果の公表については、昭和43年7月の税制調査会「税制簡素化についての第三次答申」を受け、昭和45年の国税不服審判所創設以来、この答申に沿って、国税不服審判所の使命の観点から、先例となるような…続きを読む
【0083】請求の利益がなければ審査請求できない 1.請求の利益 行政事件訴訟法第9条第1項括弧書きは、原告適格を有する者に「処分又は裁決の効果が期間の経過その他の理由によりなくなつた後においてもなお処分又は裁決の取消しによつて回復すべき法律上の利益を有する者を含む。」…続きを読む
【0082】どのような処分が審査請求の対象になるのか 1.国税に関する法律に基づく処分とは 国税通則法第75条第1項の規定により、不服申立てをすることができる場合は、税務署長等が行った国税に関する法律に基づく処分に不服がある場合であり、それがない限り、不服申立てに及ぶことが…続きを読む
【0081】T塾35年史 1.国税不服審判所で定年を迎える税務職員 国税不服審判所は、国税局(税務署)から独立した国税庁の「特別な機関」ですが、「国税不服審判所に採用され、一貫して国税不服審判所に勤務し、国税不服審判所を退職する」という税務職員は…続きを読む
【0080】超異例 国税局長自らによる不祥事予防講話 1.平成26年当時の大阪国税局を取り巻く状況 私が国税審判官に任官された平成26年は、大阪国税局管轄の税務職員による贈収賄等の非行事件が比較的多く発生していました。 大阪国税不服審判所は大阪国税局と別の組織であるとはいえ…続きを読む
【0079】国税職員の永年勤続表彰に見る審判所の位置付け 1.永年勤続表彰 10月は国税職員の永年勤続表彰の季節です。 終身雇用(身分保障)が維持されているため、同期の大方が勤続20年・30年(高卒相当で入職している者については40年)という節目を迎えるのですが、これら職員は外…続きを読む
【0078】税務職員の他の国家公務員との給与水準の違い 1.俸給表 国家公務員には、その職務の属性によって複数の給与テーブル表、すなわち、俸給表が用意されています。 事務次官、長官といった国を代表する行政の幹部級の職位を指定職といいますが、指定職俸給表は1号棒から8号棒まで区…続きを読む
【0077】「却下」「取下げ」でも納税者の勝ち? 1.審査請求の処理状況 令和元年度(会計年度)における国税不服審判所長に対する審査請求の処理状況は以下のとおりです。 ❶全部認容 90件 ❷一部認容 285件 ❸棄却 1,989件 ❹却下 134件 ❺取下げ 348件 …続きを読む
【0076】担当審判官は面談時にこんな配慮をしている 1.元審判所長講話 第18代(平成21年~23年)の大阪国税不服審判所長でいらした本多俊雄さんが、去る令和2年3月17日に大阪高裁部総括判事を最後に依願退官されました。 大阪国税不服審判所長退任後は、大阪地裁部総括判事、…続きを読む
【0075】負けさせる側にどこまで説示するか 1.各地域審判所による裁決書の個性 裁決書は、その全てが「国税不服審判所長(本部所長)」名で出され、それは、行政判断の全国統一性の要請に基づくものですが、実際には、各地域審判所の首席審判官の出身・経験に基づく個性が顕れま…続きを読む